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2008年5月20日 (火)

四川大地震について(1)

5月12日に中国・四川省で発生した大地震から約一週間が経過しましたが、未曾有の大災害によって多くの亡くなられた方々に対して謹んで哀悼の意を捧げると同時に、被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げます。

今週は、予定していたコラムを一旦、中断して、この中国で起こった未曾有の大地震について、述べたいと思います。報道によると今回の地震での被災者は一千万人にも及ぶとのことですが、確かにテレビの映像を見ると、まともに残っている建物が無いくらいひどい惨状です。普通、テレビ映像というのは、一番、ヒドイ状況の部分だけをピックアップして、報道しますので、例えば建物が一棟だけ崩壊している場合でも、もしそれだけをクローズアップして写されてしまうと、他が平穏でも、見ている私達はまるでその地域全体が大惨事だとの錯覚を与えてしまう可能性があるのですが、今回の中国の地震の場合は、どうもそうではなく、それこそ街全体がそうなっているようです。

というのは、私達が報道で目にしている崩壊した建物に、鉄筋が殆ど無いのがわかりますよね。皆さんも日本で鉄筋コンクリートの建物の解体現場を目にしたことがあると思いますが、ちょっと思い出してみて下さい。解体中のコンクリートの柱や梁からニョキニョキといくつもの鉄筋が出ています。ところがです!今回の崩壊した現場の建物を映像で見てみると、瓦礫の中に日本で当たり前のように見ることができる鉄筋を殆ど目にしません。つまり、コンクリートの建物のなかに鉄筋はなくて、コンクリートだけで建築してしまっているわけです。

ここで鉄筋コンクリートについてちょっとお話しましょう。この構造は鉄筋とコンクリートのコラボレーションで成り立っているのです・・・何故、オマエにわかるかというと・・・実は私自身、大学や大学院で建築工学を勉強しているのです。。。その知識からお話ししますね。例えばコンクリートのカタマリをギュッと圧縮してもなかなか壊れないのはお分かりいただけると思います。ところが今度はそのコンクリートのカタマリを引っ張ると・・・たとえばこれ専門の引っ張り用の実験機械があるのですが、それで試すとあっという間に壊れます。つまり圧縮には強いのですが、引っ張りには弱いわけです。これとは逆に鉄筋というのは、引っ張りには強いというのは理解できると思います。では圧縮にはというと、これもまたグニャっと曲がってしまう・・・つまり圧縮には弱いわけです。ですから、圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋とが一緒になって、お互い補いながら建物を作るわけなのです。

地震が起きると地面が揺れる・・・と同時に建物も揺れるわけで・・・とすると、例えば一つの柱を考えてみると、揺れている最中に引っ張られたり、縮められたりするわけで、そういうなか引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートが上手くバランスを保っていれば壊れないという仕組みなのです。そうやって鉄筋の量やコンクリートの厚みを計算するのが耐震設計と呼ぶのですが・・・ちなみに耐震設計基準では、コンクリートは引っ張りをゼロとして計算します。

ということは、鉄筋コンクリートの建物の中に鉄筋が殆ど入っていないとすると、地震の時に大変なことになるわけです。この続きはまた来週にしましょう。

2008 05 20 05:15 午後 [日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際] |

 
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