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2007年5月29日 (火)
そりゃないぜ!国民投票法(2)
前回に続いて、この国民投票法のどの部分がオカシイのか述べてみたいと思います。
その説明のためには最初に憲法の改正の手続きから説明しなければならないと思いますので、ちょっと複雑ですが、我慢して読んでください。
まず、憲法改正の第1段階としては、国会議員による投票です。これは、憲法96条に書いてあるのですが、普通の法案の場合、衆参それぞれ多数決で法案は成立します。ところがです!憲法に関しては、それではダメなのです。では過半数ではなくてどれくらいかというと・・・3分の2以上の国会議員の賛成がないと憲法の改正のまず第一歩・・・これを発議といいます・・・が出来ないのです。コレって結構、厳しいですよね。もちろん、今の与党では衆議院では3分の2以上の議員数を持っているものの、参議院は過半数ギリギリですから、事実上、今のままですと発議は不可能です。
でも、もし参議院議員も入れて国会議員の3分の2以上が憲法改正に賛成をしたら、それで憲法は改正されるのかというと・・・それでは改正されません。「エッ?どうして」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこが普通の法律と違うところなのです。つまり憲法96条には、国会議員の3分の2以上の賛成のあと、もう一つ!大切な手続きを定めているのです。それが国民投票です。国民投票では、国民の3分の2の賛成ではなくて、過半数の賛成で憲法は改正されることになっております。
この国民の過半数の賛成のことを憲法では「承認」という文言を使っていますが、ここでもう一度、96条のこの部分を読み返してみますと「この承認には、特別の国民投票または・・・を必要とする。」と書いてあり、特別の国民投票が必要であると書いてあるわけです。ところがです!実際にはこの「特別の国民投票」というものがどういうものであるのかが今まで定められていなかったのです。ここで皆さんの中にはまたまた「エッ?なんで」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、与党はこれを「立法府の不作為」という表現を使っています。これって要するに国会議員が怠慢してその国民投票のやり方を今まで定めていなかったではないか!と強調しているわけです。でもですよ!あまりここで与党の批判はしたくはありませんが、一言、言いたくなります。「じゃあ、戦後、この憲法が制定されて60年間、いったい誰が政権の座にいたのですか?」となるわけで、前回も述べましたとおり、与党が本気になってコレだと言えば、法律は出来てしまうわけで、結局「立法の不作為」だと与党が批判するならば、それは自分達自身を批判したことになりませんか!と思うわけです。
つまり今まで戦後60年間、この国民投票法が作られなかった答えは、簡単なことです。それは憲法を改正するつもりがなかったからなのです。だってそうですよね。この国民投票法というのは憲法改正の手続きを定めるものですから、憲法を改正するつもりがないのなら、国民投票法は作っても使われないわけで・・・ということは、逆に言えば、今、ここで国民投票法を作ろうというのは、憲法改正をするつもりがあるからこそなのです。ですからちょっとクドいかもしれませんが、国民投票法を定めるというのは、ある意味においては憲法改正への第一歩といえるのです。だけど、だからこそ問題なのです。その続きはまた来週しましょう。
2007 05 29 02:35 午後 [経済・政治・国際] |
