2009年07月 8日
北朝鮮の核実験について(6)
先日(7月4日)に北朝鮮は、またもやミサイルを発射しました。韓国の報道によりますと今年に入って今回の発射で北朝鮮は合わせて18発のミサイルを発射したことになるとのことです。特に今回、立て続けに7発のミサイル発射が行われ、ナント!そのミサイルのうち、射程が1,300キロとも言われて、日本の殆どが射程の範囲内になるノドンミサイルも発射されていたことが防衛省の発表でわかりました。
私はちょうど今回の発射の一ヶ月前の6月4日に、国会の外交防衛委員会で防衛省に北朝鮮のキテリョンという場所で、ノドンミサイル発射の兆候があると指摘しておりました。これは別に私が預言者ということではなくて・・・韓国の報道とかで、その可能性が論じられてきたので、防衛省に確かめたわけなのですが、その際も、まぁ、だいたい、いつも防衛省の答弁というのはそうなのですが、「・・・今後も情報分析に、収集に努めてまいりたいというふうに思っているところであります。」と何がなんだかわからない答弁となるわけです。ですからその折も、ちょっとしつこく説明をもとめたのですが、そうすると今度は「我々とすればいろいろな判断材料として、今先生がおっしゃったように正式にどうこうするということは、またこれ政府全体として対応することになろうかと思いますので、今、この時点で私からのコメントというのは避けさせていただきたいと思うのです。」というふうになるわけです。
別に、私は、国家機密をすべて話せ!なんてことは言うつもりもありません。しかしながら、韓国のマスコミや国防関係者が韓国の国会で明らかにしていて、その報道のあと一ヶ月後には実際に日本を射程におさめるミサイルが発射されていることを考えると、全くダンマリというのはいかがなものかと思うのです。もちろん、今回の発射は防衛大臣も国会答弁で指摘していましたが、北朝鮮が設定した航行制限区域という日本には何の影響もないような場所にミサイルを落下させているので、抑制的だったともいえるから、いいじゃないかという意見もあるかもしれませんが、やはり、心配している国民に対して何らかの発射の兆候があって、韓国でも話してますよということは指摘してもよかったと思います。
何故、私がこれほどミサイルについて言及するかといいますと、当然の如く核とミサイルとは密接な関係があるわけです。だってそうですよね。核爆弾があっても、それを実験以外・・・つまり実戦でそこで爆発させても何の意味もありません。やはり核を運搬する手段・・・即ち弾道ミサイルが必要なのです。要するに核兵器というのは、単なる核爆弾と運搬手段であるミサイルが必ずセットで必要となるわけです。
では今回、何で北朝鮮がミサイルの発射実験をしたのでしょうか?間違いなく言えることは、ミサイルの性能向上でしょう。それは間違いありません。しかしながらそれだけでしょうか?わざわざアメリカの独立記念日(7月4日)に合わせているところを考えるとそれも間違いなく意識しているのではないでしょうか?ちなみに、前回、2006年には7月5日にやはり立て続けに発射しているのですが、アメリカとの時差を考えると・・・この続きはまた来週にしましょう。
2009 07 08 05:49 午後 |
2009年07月 1日
北朝鮮の核実験について(5)
先週に引き続き、権力の世襲についてお話ししましょう・・・とは言っても、日本のことではなくて、北朝鮮の権力の世襲についてでしたよね。最近は、検索サイトでも「世襲」と引くと、政治家の内容が多いようで・・・それについては今度、私の考えも披露したいと思いますが、ただ、一言!一概に政治家は「世襲」だからダメという考え方も短絡的過ぎるのではないかと思います。私もこの業界に入ってだいぶなりますが、いわゆる世襲議員と言われる方でも素晴らしい見識の持ち主の方もいらっしゃいます。。。ただ、そうでない方もいらっしゃる感じですが・・・(笑)。
それはそうとして北朝鮮の場合、現在の権力者は皆さんご存知のように金正日氏ですよね。では、その後継者はということで今、話題になっているのが、三男の金正雲(キム・ジョンウン)氏であるとウワサされています。しかしですよ!韓国や北朝鮮で後継者といえば、なんといっても99.9%といってもいいくらい長男なのです。。。それは何故か?儒教の国だからです。もちろん、例外はどこにでもありますが、よっぽどのことがない限り、例えば韓国の財閥も殆どが長男・・・もちろんたまには例外もありますが、例えば韓国有数の財閥グループの総帥の三星グループの会長は創業者の三男が跡を継いだわけですが・・・でも、その次は、長男でしたので、やはり長男は無視できない存在なのです。
ということは、今、現在の金正日氏の長男は、金正男(キム・ジョンナム)氏となるのです。。。皆さんもよくご存知ですよね。そうそう!日本で以前、ドミニカの偽造パスポートで入国管理局に拘束されて「ディズニーランドに行きたかった」という報道もあって、その後、強制退去で中国に向かった人物ですよね。その後、日本のテレビ局が中国国内で空港にたまたま現れた彼を報道したり、或いは、フランスで医者と面会する姿を報道したりと結構、マスコミを賑わせていますが、報道されているのを見る限りにおいては、中国語はもちろん、英語、フランス語も操り、またITについても関心があるということですから、決して、ヘンテコリンな人物でもなさそうです。
つまり、お父さんの金正日氏にとってみたら、長男は決して、後継者としてまったく無能な人物でもなさそうなのに、何故、頻繁に海外に行っているのか???そして、先ほど述べました通り、フランスで医師と面会して、その後、その医師が北朝鮮の平壌に行っているのを考慮しても、父親の病状の関係で本人は間違いなく父親に対してそれなりの気持を持っていることを勘案すると、それほど父と長男との関係は悪くはないのではないか???と推測できるのです。
さらに日本の報道機関が金正男氏に中国で突撃取材を試みて「後継者」について聞いた画像が流れましたが、本人は「それはお父様が考えること」とかわしており、このあたり極めて微妙な感じです。
そのような中、先日、中国の人民日報傘下の環球日報は6月19日の報道で「金正日の健康にはすでに重大な問題が出現しており、状況はかなり悪い」とされ、また同日、韓国の朝鮮日報は北朝鮮が医療機器と緊急対応ヘリコプターの輸入を図っていると報じ、さらにです!朝鮮日報によりますと金正日氏が活動していた6月の写真が4月のものと同一の可能性まで指摘されており、金正日氏の健康状態が悪化した可能性も指摘しております。
この続きはまた来週。
2009 07 01 01:58 午後 [日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際] |
2009年06月24日
北朝鮮の核実験について(4)
先週の続きで、独裁政権における世襲の問題について触れましたが、とどのつまり、そうなのです!・・・何がって???つまり、この世で永遠の命を持っている人は一人もいないということ・・・アタリマエですよね。どんなに権力があろうと、また、お金持ちであろうと、寿命を超えて、150年も200年も生きている方はいないのです。先日、男性長寿世界一の宮崎県の男性がお亡くなりになりましたが、113歳という年齢だったとのことです。つまり、世界一長く生きるといっても必ず限界があるわけで、遠い昔、中国の秦の始皇帝が不老不死を追い求めた話は有名ですが、結局、現在まで不老不死や不老長寿で絶対に効く薬は発明されておりません。つまり人間は必ず死ぬというのがアタリマエの現象で・・・だからこそ今を一生懸命、悔いの無い人生を歩まなければならないのでしょうが・・・ということはたとえ、どんなに権力があろうとも、或いは「喜び組」に楽しませてもらったとしても、最後があるわけで、自分の限界を悟ったときに、キチンとした後継者を選ばなければ、今まで権力闘争でさんざ粛清・・・つまりライバルを蹴落としてきたツケが自分自身に跳ね返ってくるということなのです。場合によっては、布団の上で死ねないということも起きる可能性があるということなのです。
ですからこそ、権力者は身内・・・といっても相当、近い身内・・・一番、いいのが自分の子どもなのですが・・・。では実際、北朝鮮の場合、どうなのでしょうか?現在の権力者、金正日氏も年齢が67才!そろそろ、世代交代をしていかなければならないでしょう。実際、金正日氏が父親の金日成氏から権力の承継を始めたのも本人が30歳代の時だったといわれています。ちなみに金正日氏には弟や妹がいます。皆さんも殆ど、聞いたことがないと思いますが、弟の名前は金平一(キム・ピョンイル)氏といいまして、ナント!北朝鮮の国内にはいないのです。。。どこにいるのかといいますと、あるヨーロッパの大使をしているのですが・・・実質的に監視下におかれていると言われています。
ではすぐ下の妹は、一体、どうしているのかといいますと・・・北朝鮮国内にいますが、とってもお兄さんの金正日氏と仲が良いと言われています。というのも、実は彼らの実のお母さんは早く亡くなって、継母に育てられた・・・というかイジメられていたという話もあるのです。実際、この継母・・・つまり金正日氏の父親、金日成氏の二番目の夫人なのですが、過去に例えばアメリカのカーター元大統領が平壌を訪問した際、当時、元気だった金日成氏と一緒に会っている写真もあるのです。ところが、その後、つまりカーター元大統領と会ってから一ヶ月も経たないうちに金日成氏が急逝した途端、確か私の記憶では一回だけ、スゴイ写真が公開されているのですが、ナント、金日成夫人が、スゴイ形相で金正日氏をみている写真が北朝鮮の公式メディアを通じて公開されたのです。。。何故、このような写真を公開するのか、いろいろな憶測が飛んだのですが、ともかく金正日と継母との関係は上手くいっていなかったということは確かなようです。
あまり他人の家庭環境がどうのこうのというのをコメントするのはどうかとも思えますが、北朝鮮の独裁体制の本質を知るのには、この部分がどうなっているのかというのは本質的な問題であると思いますので、来週もこのお話をしたいと思います。
2009 06 24 09:52 午前 [日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際] |
2009年06月16日
北朝鮮の核実験について(3)
とうとう北朝鮮の核実験に対する制裁決議1874が6月12日に国連の安保理で全会一致で採択されました。前回、述べましたとおり、結局、核実験が行われた5月25日から相当、経って決議が採択されたところをみても、今回の決議の産みの苦しさみたいなものが文章に盛り込まれていると思います。今回のポイントは北朝鮮船舶の貨物検査や金融制裁が盛り込まれて、それを前回の決議以上に厳しく、実効性を可能にするための文言が入っていることです。予想されていた通り、北朝鮮はこの決議に反発しております。ただ、新たな核実験を行う兆候があるといった報道もありますが、この真偽は未だわかりません。しかし、このままですとまた、核実験やミサイル発射を実施するみたいなこともある可能性は否定できないと思います。ただ事実として決議が出された翌日に北朝鮮が「断固糾弾する」として「ウラン濃縮作業に着手する」と宣言しているのです。。。もちろん相当、強い調子で今回の決議について北朝鮮が非難することは想定されていましたが、今まで公式の宣言としては、この濃縮ウラン計画に言及したことはなかったのです・・・非公式には、以前、アメリカの高官にウランによる核開発計画を認めたことはありましたけど・・・。
この高濃縮ウランによる核開発計画というのは、相当、深刻です・・・とはいっても私も専門家ではないので、どの程度のものか、皆さんに自信を持って説明するほどの知識は持ち合わせていませんが、ただ、第一点としては、相当な技術レベルが要求されるということだそうで、もう一点・・・これも重要なのですが、プルトニウム抽出よりもはるかに極秘に行うことができて、補足に難しいといわれていることなのです。と同時に朝日新聞によるとウラン型原爆は爆発が容易で、ミサイル搭載のための小型化を進めやすいとされており、ともかく周辺の国家に深刻な影響を及ぼす可能性があるということは事実でしょう。
このウランとプルトニウムについては、また今度、折をみて述べることとして、先週の続きをお話しなければなりません。先週、社会主義を主張しているところで「世襲」はあり得ないという話しをしましたよね。実際、中国でも、相当、前から・・・つまり今の金正日氏の父親の金日成氏が生きていた頃から、後継者としての今の金正日氏がなるということ自体、中国の高官が「呆れかえっている」という話を当時、日本からちょくちょく中国に行って、高官と親交のあった方が私に話してくれたことを思い出します。ご存知のように、中国は北朝鮮最大の友好国であるともいえるでしょうが、その中国でさえ、権力の世襲に対しては否定的・・・アタリマエですよね。彼ら曰く「帝国主義国家と我々が非難していた国々でさえ、今は世襲ができなくなる世の中なのに、何で北朝鮮はそれが出来ないのか」ということで、当時から相当、疑問を持っていたことになるのです。
ただここが、権力者・・・というか独裁者の辛いところなのです。つまり、独裁者にとって一番、難しいのは、政権を後継者にスムースに移行する時なのです。これは世の古今東西を問わず、極めて微妙な問題で、結局、本人が今まで、権力を掌握するために粛清してきた・・・つまりライバルを蹴落としてきた手前、本人以外の人物は信用が出来なくなっており、とどのつまり、自分の息子以外は信じられなくなってしまうのです。ここが独裁者の一番、不幸なところかもしれません。この続きはまた来週。
2009 06 16 03:46 午後 [日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際] |
2009年06月10日
北朝鮮の核実験について(2)
先週、一週間、お休みをしたのですが・・・スイマセン・・・すでに、北朝鮮の核実験実施の発表から今日(6月9日)で2週間以上経過したのにもかかわらず、出す出すと報道されていた国連安保理が未だに決議案を出さないでいます。ちなみに2006年の時には、国連安保理が決議を出すまで、ナント!北朝鮮の核実験実施宣言のあと5日間で出しているのです。もちろん、その際には、アメリカ、日本はもちろんのこと、中国やロシアまで全ての安保理加盟国の一致した決議だったのです。ということは、今回は相当、遅れているわけで、皆さんもニュースでだいぶ前から、すぐにでも安保理決議が出るようなイメージを持っていたことだと思います。では何故、こんなに遅れているのでしょうか?いろいろな報道をチェックしてみると、中国が今回の核実験で決議案の文案について、相当、迷っているのではないかということのようです。
もちろん、今回のミサイル発射と核実験は前回もお話したとおり、安保理決議に違反をしているのは明白なのです。では、今回、なおさら新たな決議を出さなければならないと思われるのに、何故、中国がこれほどためらっているのかということを皆さんと一緒に考えてみましょう。もちろん、一番、手っ取り早いのは、中国に聞くのが一番でしょうが、それができないから、いろいろな観測が出てしまうのです。
まぁ、いずれにしても文案はどうであれ、北朝鮮の今回の仕業について中国も安保理の議長声明ではなくて、より実効性の高い、安保理決議を出すことに同意はしていますので、近いうちに中国と各国との間の交渉がまとまって決議を出すことになるとは思われますが、ここでポイントは北朝鮮の内部事情に一番、詳しい中国が何故、これほどまでに慎重になっているかということです。私は前回も述べましたとおり、やはり北朝鮮の内部の権力層に何らかの変化があるということかもしれません。つまり権力層ということは、すなわち北朝鮮の最高権力者である金正日氏とまさに直結する問題ですから・・・ということは金正日氏の激ヤセぶりとの関係もありそうですね。そこで最近・・・というかずっと前から話題になっているのが、金正日氏の後継者問題です。今現在、マスコミでは金正日氏の3番目の息子の正雲(ジョンウン)氏が後継者と決定したとの報道が流されてますが、その真偽はともかくとして、北朝鮮のような独裁国家では、一番、ポイントとなるのが後継者として誰を選ぶのか?という問題です。でもですよ!皆さん。北朝鮮って資本主義ではないですよね。自分達は社会主義といってますが・・・ちょっと待ってください!ここでポイントです。社会主義で世襲ってあり?でしょうか???いわゆる自分達の国を社会主義だと主張していた国・・・たとえば旧ソ連や中国、東欧で権力者の世襲なんてあまり聞いたことがありませんよね。いわんや3代目なんて!です。アタリマエです。だって社会主義の根本であるマルクス・レーニン主義では貴族や地主、資本家は否定されるべきものであるわけで・・・ということは世襲も否定されうるべきですよね。それどころが、最近では資本主義社会でさえも世襲批判というのはあるわけで・・・どこかの国みたいに(笑)・・・つまり、資本主義国家でさえ、だいぶ以前とは変わってきているわけで・・・では何で北朝鮮では、それでも世襲が話題になるのか・・・ということについてまた来週、お話しましょう。
2009 06 10 10:56 午前 [日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際] |
